3000年以上を数える港町カディス
古くは3000年以上前にフェニキア人によって築かれた西洋最古の街とされている。
貿易の拠点であったことから、さまざまな民族が定住し、融合したことでここから新しい文化が生まれたとされている。
カディスからはコロンブスが何度か出航したそうだし、スペイン無敵艦隊が出陣したのもカディスだ。
ここから有名なトラファルガーの海戦で歴史的敗戦を経て、世界の覇権がイギリスに移ったことを考えると歴史的大きな意味を持つ海戦ともなった。
ある意味没落のきっかけになった場所だけど、今のカディスにはそんな悲壮感は微塵もない。
もともと南スペインだし、気候も穏やかで陽気な人たちが住んでいるからだろう。
船で港に降り立つと、すぐ左に税務署、まっすぐ正面に向かって石畳の道を歩くと大きな広場があり、その左右にはバルが立ち並び、
多くの観光客らしき人達がパラソルの下でビールを片手にタパスをつまんでいる。
ベタに言えば熱海を随分と高級にしたようなリゾート地になっているのかもしれない。
どこまでも青い空に澄んだ空気、すごく綺麗なリゾート地ななんだけど、あまりの美しさになんだか汚物を隠しているかのような印象を受けてしまった。
そういった隠したい部分は旧市街が請け負っていて、港前の広場は玄関みたいなものだから着飾っているのだろう。
港町だけあって海鮮関係は美味い。
でも今回の旅では食べるより飲んでばかりだったような気がする。
僕はその町の生活を知りたい場合は、大都市の場合は百貨店やスーパー、そうでない町は市場に行くことに決めている。
というわけで次の日の朝は中央市場に出かけた。
日本の市場のように各コーナーごとに担当が決まっており、魚なら魚、野菜なら野菜、肉なら肉とこれでもかと並べられており、壮観で美しい。
聞くところによると市場で食材を買って、二階に持っていくとちゃんと調理してくれるらしい。
何だか沖縄の牧志公設市場のようなものか。
滞在時間があればランチを市場の食材でというのも楽しいかったな。
20年前にはあまり気がつかなかったけどスペインはワインの印象があるけど、実は意外にビールが美味しい。
地ビールなのか、行く先々で違う銘柄が出て来る。
だから飲んでばかりで、また太ってしまった気がする。